はじめに

建築の意匠設計や設備設計でBIMの導入が進んでいますが、構造設計はまだまだ遅れを取っています。

構造設計は元来、SS7やBUSなどの一貫計算解析ソフト、あるいはiGenなどの汎用解析ソフトで構造解析モデルを作成して、その解析結果を書類としてまとめて確認申請に提出しています。

一部Rhinoceros(Grasshopper、その他プラグイン)などを使って、BIMと効率的な連携を試みることはあるものの、実務としてはどこかで別の計算ソフトを使う手間が発生して、BIMをどのように利用すればよいのかわからないという印象があります。

しかし決めつけるのは早いので、三十路の構造設計者がchatGPTとともに手を動かして、IFCファイルビューアを作成してみました。

【作成したビューア】

https://www.structure-box.com/ifcviewer

開発環境と主な機能

開発には、JavaScriptライブラリのIFC.jsを利用し、ReactのフレームワークであるNext.jsを使用しました。記事末尾に参考にしたサイトURLを貼っておきます。

基本的な機能は自分で実装して、わからなくなった部分をChatGPTに聞きながら作成しました。

機能としては、IFCファイルの読み込み・表示・操作ができるようになっており、3Dモデルの回転や拡大・縮小が可能です。

IFCファイルをお持ちの方はぜひお試しください。

今後の利用方法について

大規模なプロジェクトであれば、そもそも関係者がBIMソフトを利用できる環境であることがほとんどなので利用機会はないかもしれません。

ただし、木造や事務所ビルなど小規模なプロジェクトにおいては、モデルを作成後にBIMソフトからIFCに変換して、プロジェクト初動段階でお施主さんや意匠設計者、設備設計者とWeb上で気軽に共有できると利用価値があるのではないか。

構造計算ソフトはUIが独特で誰でも扱えるものではなく情報共有が苦手だからこそ、情報共有の手法を模索していくのが重要ですね。

今後もアップデートして使いやすくしていく予定です!!

参考にしたサイト

IFCの説明( https://www.building-smart.or.jp/ifc/whatsifc/ )

IFC.jsの公式サイト( https://ifcjs.github.io/info/ja/ )

プログラム参考( https://github.com/IFCjs/hello-world/tree/main/examples/web-ifc-three/multithreading )